上橋菜穂子『獣の奏者Ⅲ探求編/Ⅳ完結編』

かつて母と凄惨な別れを迎えた10歳の少女も、時を経て、伴侶を得て、1人の母となっていた--。

闘蛇部隊の要である"牙"の大量死事件を受けて、かの英雄の末裔が闘蛇部隊をつくりあげた"始まりの闘蛇村"へと、足を運んだ、エリン。

悲痛な事件の原因を探る中、母との数少ない思い出にある"知識"に行き当たることとなる。

"神々の山脈"の向こうの民がひた隠しにした真相と、自らの信念と。
大きな渦の狭間で揺れる彼女に、真王から避けられぬ命が下されーー。


妻は王獣使いとして、
夫は闘蛇乗りとして。
息子を独りのこして、各々の戦場へ赴くことを決意する。

天空を駆け数多の闘蛇を屠る王獣の背の上で、母譲りの彼女の瞳は、何を捉えるのか。

最愛の夫を、息子を、獣たちを、同じ国に集う人々を、救わんと奔走する彼女の願いは、叶うのか。

かつて少女だった女性の生き様を、その目で見届けてください。

4組 M・O